平成20年度は、先年度まで取得した2つのパネルデータセットに伴うマクロデータの整備、公開に向けたデータとコードブック英語版の整備を主として行うとともに、プロジェクト参加各国の間での基本的な研究発表会議に積極的に関与した。平成20年6月と12.月に台湾にてアジアン・バロメータの研究検討会議、同4月にポーランド、12月にイギリスにてCSES3のプランニングコミッテイーに参加・発表し、目本データについて解説を加え、主要な知見と問題点を検討するとともに、今後の各国データセットのマージについて検討した。 また、マクロデータの整備は地味な作業であるが、これを世界標準様式で準備することで、マイクロ・マクロの2水準の揃った比較データとして価値が倍増する。これを実施した。公開データのための整備も進めたが、この整備は各国データのマージ作業と直結するものであった。 さらに、平成19年度取得のCSES参議院選挙調査データの比較ベースレートの取得、および複数の合成尺度の検討、交代した首相・政府のパフォーマンスとの比較検討、また平成18年度取得のアジアン・バロメータ調査データでのアジアベースの価値志向尺度の点検のため、平成21年3月時点での政治意識調査をインターネットサンプルに関して実施した。これらは上記両調査プロジェクトの今後の分析に寄与するとともに、継続プロジェクトとして今後のデータ取得に向けた有効な情報資源となる。調査は一都三県に絞り、回収数は8755であった。サンプルウェートをかけて比較検討することとする。
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