(1) 3年目にあたる本年度は、6月に全員参加の合宿研究会を開催し、昨年度までの研究成果の発表および確認、ならびに今年度の作業段取りを確定した。海外現地調査について具体的には、(1)スウェーデンの現地調査、(2)昨年度実施したドイツ現地調査、とくに教員養成の第二段階に関する補充調査を実施した。 (2) スウェーデンの現地調査では、(1)ルンド大学を訪問し同国の職業教育の歴史と現状の協議、(2)ヨーテボリ大学・リンショーピン大学・ストックホルム大学・ウメオ大学を訪問して、スロイド科、技術科、および職業教育の各分野の教員養成に関するカリキュラムを中心とした現状と課題を協議、(3)ストックホルムにある私立のカールソン校を訪問、スロイド科と技術科の授業を見学し、各担当教師にインタビュー調査を実施した。スロイド科の教員養成カリキュラムの構成、4大学における運用の実態を課題について明らかにし、併せて、同国の職業教育教員養成の特異性、技術科教員養成の困難さについて重要な知見が得られた。 (3) ドイツの補充現地調査では、ノルトラインウエストファーレン州ミュンスター市において、ミュンスター大学の協力の下、教員養成の第二段階でStudienseminareの指導教員として従事している6名の教員たちにインタビュー調査を実施することができ、従来その実態が知られていなかった彼らの活動・権限・労働条件等についての具体的知見を得た。
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