研究課題/領域番号 |
18203038
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
有本 章 広島大学, 高等教育研究開発センター, 名誉教授 (00030437)
|
研究分担者 |
大膳 司 岡山大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (60188464)
黄 福涛 岡山大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (60335693)
|
キーワード | アカデミック・プロフェッション / 知の再構築 / 国際比較研究 / 世界と日本のシステム / 21世紀型専門職像構築 / 有識者調査 |
研究概要 |
3年目の本年度はアカデミック・プロフェッション(academic profession:AP)に関する個人研究を進めると同時に、共同研究を深め、以下の6点に実績をあげることができた。 第1は、APに関する各種先行研究を理論的に研究するため、主題と関連した国内外の文献・資料を収集し、理論研究班を中心に研究を推進するとともに、全国の研究分担者全員(出席できない場合は、レポート提出)が参集して理論研究会を2008年5月に開催した。 第2に、1992年に実施したカーネギー調査と同一内容の調査票を使用した2007年再調査に依拠して、15年間における大学教員の意識や行動の変化を著書『変貌する日本の大学教授職』にまとめた。主たる発見は以下の7点である。(1)大学教員の移動は、短大の縮小と大学の拡大という高等教育機関の増減によって量的・強制的に拡大した。(2)大学に対するファンディングは、機関補助依存型から個別補助依存型へ変化した。(3)女性教員比率と博士号取得率が拡大したが、ジェンダー問題の改善は国際的には立遅れた。(4)主として国立大学法人の教学と経営の分離が進行し、トップダウン型の管理運営となった結果、教員の疎外感が増大した。(5)交付研究費の額が高い教員や研究に関心のある教員ほど研究生産性を高めている。(6)評価の導入は研究生産性や教育志向性を高めるに至っていない。(7)専門職像構築では、教育と研究の分離が進行している。 第3に、世界18カ国がCAP(Changing Academic Profession)プロジェクトに取組みAPを対象とした共通調査を実施し、日本主催で2008年に続き2009年1月に国際会議を開催した。 第4に、上場企業の社長、裁判官、高級官僚、地域公務員、医師総計4,500名を対象としたアンケートによる有識者調査を実施した。現在データを分析中である。第5に、米国高等教育学会、欧州高等教育学会、欧州学士院、日本高等教育学会、日本教育社会学会、等の学協会で研究成果を発表した。第6に、世界各国のAPに関する訪問調査を米国、中国、イタリアで実施した。
|