研究課題/領域番号 |
18203901
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研究種目 |
特別研究促進費
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
渡部 敏明 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90254135)
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研究分担者 |
大森 裕浩 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60251188)
大屋 幸輔 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20233281)
里吉 清隆 東洋大学, 経営学部, 助教授 (10366510)
小林 正人 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (60170354)
内田 善彦 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10403023)
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キーワード | 資産収益率 / 高頻度データ / Realized Vblatility / 長期記憶性 / ARFINA / GARCH / Realized Covariance / 非同時取引 |
研究概要 |
資産収益率のボラティリティや共分散の精度の高い推定量として、近年、日中リターンを用いて計算するRealized Vblatility(RV)やRealized Covariance(RCOV)が注目を集めている。平成18年度は、当初の計画通り、こうしたRVやRCOVに関する研究を行った。RVやRCOVの計算には高頻度データが必要なので、日本の株価および円ドル、円ユーロの高頻度データを購入した。渡部は、大学院生と共に、日本の株価の高頻度データを用いてRVを計算し、それにいくつかの時系列モデルを当てはめてボラティリティの予測を行った結果、長期記憶性とボラティリティ変動の非対称性を考慮したARFIMAXモデルが最もパフォーマンスが高いことを明らかにした。渡部、大森は、大学院生と共に、RVと日次リターンを同時に定式化する新たなモデルの開発を行い、また渡部はRVの分散不均一性を考慮した新たなARFIMA-GARCHモデルを提案した。大屋は、大学院生と共に、複数の資産の取引が同時に行われない場合のRCOVの新たな計算方法を提案した。これらの研究は、渡部を中心に、国内の学会、研究会(日本統計学会75周年記念研究集会、京都大学計量経済学セミナー、下関市立大学FCSコンファレンス等)でも積極的に報告を行った。 こうした研究はメンバー以外にも波及し、特にメンバーが指導する大学院生にも広がりを見せたため、年度末に、研究分担者のほぼ全員が出席する中、教員、大学院生、日本銀行職員など計9名にRV、RCOVを中心とした最新の計量ファイナンスの論文を報告してもらう研究会を催した。参加者(報告者を含む)は20名強で、特に、日本銀行金融研究所、ニッセイアセットマネジメント株式会社から実務家の参加もあったことで、実務的な観点からの議論も行われ、有意義であり、平成19年度以降の研究遂行に弾みをつけた格好となった。
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