研究課題/領域番号 |
18204001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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研究分担者 |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
伊藤 由佳理 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (70285089)
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キーワード | 格子理論 / 保型形式 / モジュラ空間 / 有界対称領域 / K3曲面 |
研究概要 |
1. 今年度の一番の成果は、平面4次曲線に関するCobleの古典的結果を、IV 型有界対称領域上の保型形式論を用いて再展開することに成功した点である。Coble は不変式論の立場から、Goepel関数と呼ばれるものを用いて平面4次曲線のモジュライの美しい記述を得た。本研究ではBorcherdsによる保型形式論や格子理論を駆使し、Goepel関数を保型形式を用いて記述し、Cobleの結果に別の見方を与えた。楕円曲線の代数的および解析的両面からの結果の高時元版にあたる結果である。論文にまとめ現在投稿中である。 2. 小さな種数の曲線のモジュライ空間をK3曲面の周期理論を使って構成してきたが、種数6の場合には、IV型有界対称領域の算術商として記述できる。K3曲面のモジュライ空間のコンパクト化の問題は未だに未解決であるが、その足がかりの一つとして、種数6の場合に佐武-Baily-Borelのコンパクト化の幾何学的意味を研究し論文にまとめ現在、投稿中である。 3. 代数曲線のモジュライ空間のトートロジカル環の生成元の帰納的関係式を得た。現在論文を執筆中である。また4次元以上の商特異点のクレパントな特異点解消の存在について研究した。 4. 複素鏡映群に付随した Kostka 関数をある種の多様体の交叉コホモロジーを使って記述することを試みた。 5. 3次元トーリックカラビ・ヤウ多様体上で定義された位相的弦理論の分配関数の構成要素であるtopological vertex (位相頂点)を拡張したrefined topological vertex の研究を行った。またゲージ理論のインスタントンの数え上げから定義されるNekrasovの分配関数との関係を明らかにした。
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