本研究は可積分系(大きな群対称性を持つ微分方程式系)に関連した現代幾何学の諸問題に関わる研究である。これらの問題は(曲面論を含む)古典的な微分幾何学および量子論と弦理論の幾何学に端を発する。 ループ群や無限次元グラスマン多様体の理論をはじめ、無限次元の手法が用いて研究を行う。また、このプロジェクトの大きな特徴として、研究領域の発展のために、この分野をリードする国内外の研究者達と共同で研究活動を行うことである。 具体的には曲面の幾何学と調和写像、フロベニウス多様体と量子コホモロジーなど可積分系に派生した対象の幾何学・トポロジーの総合的研究を推進する。特に、次の進展を目指す。 (1) ループ群の方法を使って部分多様体・調和写像・量子コホモロジー・フロ ベニウス多様体から得られる可積分系の研究。 (2) 偏微分方程式の自己双対優決定系によるフロベニウス多様体の新たな構成。 (3) (1)(2)の立場から量子コホモロジーの具体的な例の研究。 (4) 軌道体量子コホモロジーのD-加群的計算。
|