研究分担者 |
柳田 英二 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (80174548)
小川 卓克 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (20224107)
池田 榮雄 富山大学, 大学院理工学研究部, 教授 (60115128)
長澤 壯之 埼玉大学, 大学院理工学研究部, 教授 (70202223)
飯田 雅人 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (00242264)
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研究概要 |
初年度は,研究体制の整備と問題の発掘を中心に研究を行った.シミュレーションを行うためにワークステーションを導入し,上山が計算機環境を整えた.「秋の学校:パターン形成の数理」を開き,モデルづくりから理論解析まで幅広い話題を取り上げて入門的講義を提供した.さらに「分析から総合へ」では新しい数学の可能性を探るために各分野の主導的研究を担ってきた研究者が多面的な講演をした.「北東数学研究会」は若手研究者の研究成果発表を主軸に行った. 高木は非一様な環境下でのパターン形成を中心に中島主恵氏の協力を得て研究を行った.小川は走化性粘菌モデルに共通する非線型非局所放物型方程式の解の時間大域的漸近挙動を自己相似変換の手法によって解析した.柳田は,空間的一様性をもつシャドウ系の定常解の空間的構造と安定性の関係,神経場のモデルとなる非局所方程式のフロント型進行波解の速度などに関する研究を進めた.長澤は,平面曲線に対する制約条件附き変分問題に附随する勾配流の存在について研究し,制約条件が特異極限によって実現されるような補助方程式の解の極限パラメータに関する一様評価を導いた.池田は,二成分反応拡散系における多重特異点近傍での進行フロント解のダイナミクスを解明するために,中心多様体上の縮約系となる常微分方程式系を導出し,進行フロント解の応答を理論的に解析した.飯田は二種競争系の交差拡散モデルの特異極限となる線型拡散の反応拡散系を構成した.山田は,リーマン面上,および三次元漸近的平坦なスカラー曲率正の多様体上のリーマン計量および共形構造の変形理論を研究した.石毛は壁谷喜継氏の協力のもとでポテンシャル項つき熱方程式の解の最大点の挙動について研究を行い,無限遠点における調和函数の増大度が最大点の挙動に大きな影響を及ぼすことを示した.上山は,空間3次元におけるパターン形成を,主に数値計算によって研究した.
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