研究課題
計画全体としては、波長4000A-5800A用(青玉)と波長5500A-7000A用(赤玉)の二つのグリズムを製作することにしている。当初計画では、まず、平成18年度に青玉を設計製作し、製作可能性及び性能を実験室で確認し、その経験を踏まえて赤玉の設計を行い、平成19年度に赤玉を製作することにしていた。この計画に基づき、分担者全員で仕様を検討し、協力者山室が光学設計を行ったところ、青玉の方が製作により高度な技術を要するため、製作の順序を入れ替えることが妥当ということが判明した。このためまず平成18年度はまず赤玉を製作した。赤玉は成功裏に製作され、実験室での性能確認は終了し、それをもとに青玉の設計を行った。莫大な数の天体のスリットレススペクトルを画像から抽出し、適切に加工してサイエンスに使えるようにするには、大規模かつ巧妙なソフトウエアが必要である。最近ST-ECFのACS Groupによって開発されたaXeというソフトがあり、無償で提供されている。インターフェイスなど若干の改訂をすればこのソフトがそのまま使えるのか、あるいは新たに独自にソフト開発を行う方がよいかを調査した。その結果、独自にソフトを開発することにした。ハードとソフトの開発研究と平行してサイエンスの検討も進めた。銀河形成の理論(CDM理論)と観測データの比較から、ライマンブレーク銀河とよばれる初期宇宙にある銀河種族の性質を調べ、グリズムによる観測で、どのようなサイエンスを狙うかの予備的な研究を進めた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
The Astrophysical Journal 653
ページ: 988-1003
The Astrophysical Journal 637
ページ: 631-647