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2009 年度 実績報告書

すばる主焦点全面分光による宇宙大規模構造進化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18204013
研究機関東京大学

研究代表者

岡村 定矩  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20114423)

キーワード光赤外線天文学 / 初期宇宙 / 大規模構造 / 銀河 / すばる望遠鏡 / グリズム
研究概要

本研究は、8m級望遠鏡では他に例を見ない広視野を有するすばる望遠鏡の主焦点全面を、波長分解能λ/Δλ=30-50で観測できるグリズム分光装置を開発し、遠方の輝線銀河を多数検出して宇宙大規模構造の進化を調べることが目的であった。波長4000Å-5800Å用(青玉)と波長5500Å-7000Å用(赤玉)の二つのグリズムを、平成18-19年度に成功裏に製作した。
本年度は、平成19年度から独自開発の方針の下で開発をスタートしたデータ解析ソフトウエアを完成させた。これによって、平成19-20年度に取得した、赤玉を用いた観測データの処理が可能となった。観測は天候に恵まれず、露出時間は予定の半分以下であった。約10時間露出のデータから、1視野で53個の輝線銀河を検出できた。最遠方のものは赤方偏移z=4.1であった。十分な露出を行えばほぼ予定通り、遠方の輝線銀河を検出できることが確認できた。また本年度は、当初予想もしなかった、太陽系の小惑星の起源の研究にこのグリズムが大変効果的であることがわかり、新たな観測プロポーザルがすばる望遠鏡で採択され、その試験観測も成功裏に行われた。サイエンスの検討では、ビッグバンから僅か8億年後の宇宙でみつかった巨大なライマンアルファ輝線銀河の性質を調べたほか、赤方偏移z~7にある銀河の光度関数から、宇宙における星生成率密度の振る舞いを描き出した。それによると、z~7での星形成率密度は、z~2-3におけるピーク値の約10分の1に落ちるが、100分の1よりは大きいことがわかった。宇宙再電離の理論モデルと比較することにより、z~7にある銀河の性質が現在の銀河とほぼ同じとすれば、これらの銀河だけで宇宙再電離を引き起こせないことがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stellar populations of Lyα emitters at z=3-4 based on deep large area surveys in the Subaru-SXDS/UKIDSS-UDS Field2010

    • 著者名/発表者名
      Ono, Y., et al.
    • 雑誌名

      Monthly Notices Roy.Astron.Soc. Vol.402

      ページ: 1580-1591

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Discovery of a Giant Lyα Emitter Near the Reionization Epoch2009

    • 著者名/発表者名
      Ouchi, M., et al.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Vol.696

      ページ: 1164-1175

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Large Area Survey for z=7 Galaxies in SDF and GOODS-N : Implications for Galaxy Formation and Cosmic Reionization2009

    • 著者名/発表者名
      Ouchi, M., et al.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Vol.706

      ページ: 1136-1151

    • 査読あり
  • [学会発表] すばる主焦点全面分光のデータ解析ソフトウェアの開発2010

    • 著者名/発表者名
      大野貴博, ほか
    • 学会等名
      日本天文学会2010年春期年会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2010-03-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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