研究分担者 |
中田 好一 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (80011740)
田辺 俊彦 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (90179812)
金田 英宏 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・赤外サブミリ波天文学研究系, 助手 (30301724)
板 由房 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・赤外サブミリ波天文学研究系, 宇宙航空プロジェクト研究員 (30392814)
河村 晶子 名古屋大学, 理学研究科, 研究員(COE) (30377931)
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研究概要 |
(1)「あかり」に搭載された近・中間赤外線カメラにより、大マジェラン雲の広域観測を行った。現在までに予定の約3/4の領域の観測を終了し、残りの観測が進行中である。IRCの観測は、3,7,11,15,24ミクロンでの撮像観測と、2-5ミクロンの低分散分光観測から成る。撮像観測については、IRCの撮像データのパイプラインの開発を行い、現在までに取得されたデータの一次整約まで終了している。分光データについても、IRC分光データパイプラインによる処理を進めている。 (2)これと平行し、「あかり」に搭載された遠赤外線サーベイヤ(FIS)による観測初期に行われた大マジェラン雲の遠赤外線データ(65,90,140,160ミクロン)のデータ解析を行い、IRASと比較し、数段によい空間分解能のデータを得た。この解析から、遠赤外の強度とスペクトルの形に非常によい相関があることがわかった。 (3)すばる望遠鏡搭載の中問赤外線撮像分光装置COMICSを用い、近傍銀河NGC1569の観測を行い、新たに埋もれた星形成領域が存在することを見いだした。20ミクロン帯での追観測も行い、埋もれた星形成領域より低温のダストで覆われていることを確認するデータを得た。現在データ解析中である。 (4)銀河赤外線拡散光の起源について、モデル解析を行い、視線方向上に温度の異なる成分が重なっているモデルで、赤外スペクトルの変化がよく説明できることを示した。この結果を大マジェラン雲にも適用し、大マジェラン雲では、我々の銀河系より平均的に温度が高いこと、また星形成領域では、25ミクロンからの超過が増加することなどを示した。 (5)Spitzer望遠鏡による楕円銀河の分光・撮像観測を行い、中間赤外線帯の赤外線未同定バンドのスペクトルが我々の銀河系のものと比べて大きく異なること、及び中間赤外線の分布がX線の分布に一致し、プラズマ加熱を受けている可能性を示唆した。
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