研究課題
1、Lupus領域、カメレオン領域などの近傍の星惑星系形成領域を波長1.1mm連続波でのサーベイ観測をASTE10mサブミリ波望遠鏡で実施した。観測領域は30平方度をカバーし、かつ観測感度はほぼ均一で10mJy(コアの質量感度で0.01太陽質量)を達成した。このサーベイにより、およそ1000天体(多くが、新天体)を検出した。これは、これまでのサーベイと比べて最も広く、最も高感度であり、この規模のデータは、世界ではまだない。星形成と惑星系形成を研究する上での貴重なデータベースである。このデータの解析から、コアの質量関数は、どの領域でも同じような形をしていること、星の初期質量関数と良く一致することが解った。2、上記サーベイで、Lupus領域の弱輝線T-Tauri型星で非常に特異な円盤を見いだした(進化の晩期フェーズにある弱輝線T-Tauri型星では、はじめて非常に強い1.1mm連続波を検出)。非常に薄く、冷たく重い円盤のモデルが良く中間赤外線データも含む観測結果を良く説明できることが解った。このような円盤は、惑星系形成のKyotoモデルにおいては一進化段階(微惑星・惑星が生まれる直前の状態)として予想されており、Kyotoモデルをサポートする極めて重要な証拠であると考えられる。3、ASTEによるCO&13CO(3-2)輝線のサーベイを40近い数のT-Tauri型星について実施し、星・惑星系形成に伴うガス成分の散逸をはじめてシステマチィックに調べた。それにより、星形成の母体となったエンベロープ成分(+分子流)が、100万年程度の間存続すること、100AUを超える巨大なガス円盤は、30-1000万年くらいまで存続することが解った。4、オリオン領域の中質量星形成領域のサーベイ観測を45m鏡,ASTEで実施した。誘発的星形成領域候補の探査を進めるとともに、分子流による誘発的星形成のこれまでで最も確かな証拠を見いだした
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