平成20年度は本計画の最終年度にあたり、近赤外宇宙背景放射観測ロケット実験CIBERの製作・最終較正を行った。CIBERは当初20年7月の打ち上げが予定されていたが、装置の不具合のため延期となり、平成21年2月にニューメキシコ州ホワイトサンヅのNASAの基地から打ち上げられた。装置は全て正常に動作し当初の目的とするデータの取得に成功した。データは現在解析中であるが、興味深い結果がすでにいくつか得られている。 また我が国の赤外線天文衛星「あかり」のデータ解析を行い、黄道の極方向の10分角での空の揺らぎを求めた。その結果、読み出し雑音や銀河系内の星・宇宙塵、銀河等既知の天体では説明出来ない大きな揺らぎが見いだされた。この揺らぎは波長が短いほど大きくまた波長間の相関はかなり弱い。これらの結果は観測された揺らぎが宇宙最初の星・種族IIIの星に起因することを強く示唆しているものである。 CIBERおよび「あかり」のデータは宇宙第一世代の星の研究にとって他に例のない極めて重要なものであり今後の研究の展開が大いに期待されている。
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