研究課題/領域番号 |
18204022
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
丹羽 公雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60113445)
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研究分担者 |
中野 敏行 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50345849)
森島 邦博 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 研究員 (30377915)
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キーワード | ニュートリノ / 原子核乾板 / 素粒子物理学 / 宇宙線ラジオグラフィ / 加速器 / 重イオン治療 |
研究概要 |
1896年のベクレルの放射線発見以来、放射線検出に最適化された写真乾板は原子核乾板と呼ばれ湯川中間子の発見等で活躍した。1960年代にヨーロッパ・米国では顕微鏡作業が嫌われてほとんど使われなくなったが、1970年代になってチャーム粒子、タウ粒子などの短寿命素粒子研究のテーマを得たことや名古屋大学で飛跡の自動読み取り装置を発明したことで原子核乾板技術は放射線検出器として甦った。 本研究で注目を集めるニュートリノ振動の研究(OPERA)の膨大な原子核乾板の解析に必要な超高速の飛跡の自動読み取り技術の研究開発を進め、1時間当り100cm_2の面積に記録された飛跡を自動認識して位置と角度、更に飛跡の銀粒子密度を同時に読み出す装置の開発に成功した。人力に較べて100万倍以上の能力を持つこの装置をS-UTSと呼ぶ。 この研究で、原子核乾板の活躍の場が素粒子研究以外にも拡がってきた。原子炉の中性子による反跳陽子の飛跡の計測、宇宙線で火山や溶鉱炉などの何十メートルもの岩石(鉄)を貫通してくるミュー粒子によるラジオグラフィ、電子蓄積リングから漏れ出す数MeVから数GeV領域の電子の位置と角度めモニターなどである。
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