研究課題
リニアーコライダー用の最終集束レンズに関しては試作第2号機を製作した。ビームテストを通じてそのフィージビリティを実証するため、最終集束のテスト実験を行う予定であるATF2でも実験が可能なように、外形はILC用と同じままでボア径を大きく設計した。ATF2ではビームエネルギーも低いため、この変更を行っても強度は十分と想定される。回転駆動部などの形状は同じであるため、ATF2でビームテストが出来れば、その評価が可能である。現在試作機は磁石の調整を行っており、磁場測定などの評価をH20年度に行う予定である。また、回転駆動には強磁場中でも対応可能なように超音波モーターを採用したが、その回転制御にロータリーエンコーダーによるフィードバック制御が必要であり、その検討を今後行う。ビームライン上に設置するための位置調整機構なども検討課題である。六極磁石に関しては組立後モータを使って25Hz運転を行い、温度上昇を測った結果、40℃程度の温度上昇があったため、内輪を二種類追加製作し製作してその効果を測定した。成績の良かった物は磁極部分に積層構造を用いた物で、温度上昇で約半分になった。積層構造による機械的強度低下は、構造を工夫することにより、回避することが出来た。また、初期の1/2スケールモデルはモーター軸から外輪への回転力伝達に歯車を使用していたが、外輪回転時に交互に正負の大きなトルクが発生するためにギアの摩滅が大きかった。これはベルト駆動に変更した結果、内輪の機械的強度検証も兼ねた六時間以上の連続耐久試験にも耐えている。一方、外輪を回転させる際に発生する大きなトルク振動に対する対策として現在フライホイールを使っている。トルク自身を低減させる方策を検討してきた結果、バネなどの機械的エネルギーとして吸収させるのは寿命などに問題があることがわかった。このため、更に効果的な方法を考案、具体化を進めた。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment 586
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