研究分担者 |
新井 康夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90167990)
海野 義信 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (40151956)
羽澄 昌史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20263197)
池田 博一 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (10132680)
石野 宏和 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (90323782)
|
研究概要 |
本研究は平成18年度と19年度にわたって、SoI (Siliconon Insulator)技術を用いたピクセルセンサーを開発するものである。SoIはシリコンウエファ上に酸化膜をおき、さらにその上にCMOS回路を製作する技術で将来のCMOS回路の基本と考えられている。SoI技術を用いると、シリコンウエファとして高抵抗シリコンを用い、そのウエファを放射線が通過したときに発生する電荷を酸化膜上のCMOS回路で信号処理することで放射線センサーを作ることが可能である。とくに、検出部をピクセル化することにより高性能ピクセルセンサーを作ることが可能だと考えられる。平成18年度は以下の研究を行った。 1.SoI放射線センサの基礎特性の研究のために、ストリップ構造をもつPN接合をウエファ上に作り電圧-電流特性、電圧-容量特性、電圧-電荷収集効率などを測定した。その結果、ウエファに印加できるバイアス電圧が、予想より低いことがわかった。これについては半導体シミュレーションを行い、ストリップ形状に問題があることがわかり、平成19年のセンサーで修正することにした。 2.CMOS回路を構成する酸化膜上のトランジスターの放射線の比較的高い積算照射を行った。その結果、シリコン基盤に数10Vまでバックゲート電圧を印加することでトランジスターは1平方cmあたり10^<15>陽子の照射後も動作可能であることがわかった。これはスーパーLHCにおける照射レベルであり、SoI回路の有効性を示すことができた。 3.センサー部分と回路部分の結合を確認するため、小規模のピクセル検出器を試作した。このピクセル検出器を用いることで、このセンサーが可視光および荷電粒子を検出する能力があることが確認できた。 平成18年度は以下の会議で本計画に関する報告を行った。 SNICO6(米国、SanFransisco),STD6(米国、Carmel),VERTEX2006(イタリアPerugia),LECC(スペインValencia),IEEENS(米国San Diego),日本物理学会(Hawaii)2件、Vienna conference of Instrumentation(オーストリー、Vienna),日本物理学会(首都大学東京)2件 平成18年度に5本の論文を投稿した(IEEENSおよびNIM4件)。出版は19年度
|