研究課題
空間自由度の大きな内部空間に閉じ込められた原子の異常振動フォノンが超伝導とどのように関係するかに関して、結晶学的に等構造であるBa_<24>Si_<100>ならびにBa_<24>Ge_<100>の物質を比較して研究した。二つの物質は物性が大きく異なる多面体幾何物質として重要であり、Ba_<24>Ge_<100>は、内包空間が大きくBaは非調和な振動をする事が知られている。一方Ba_<24>Si_<100>はSi原子が作る籠構造の内部空間がGe原子が作る籠構造よりも小さいための、内部に閉じ込められたBaは比較的調和振動的なフォノンを有する事が分かっている。この二つの物質を軟X線光電子分光を適用してフェルミ準位の状態密度の相対値を求め、SQUIDを用いたパウリ磁化率と比較する事により、フェルミ準位の状態密度の絶対値を算出した。その結果は、第1原理バンド計算で求められた値と良い一致を示した。一方、フォノンが有する特性デバイ温度は、比熱測定の結果をアインシュタインモードとデバインモードの組み合わせ関数を用いて解析することにより実験的に求めた。この得られた実験結果をマクミラン方程式の物理変数と用いて、超伝導臨界温度T_cの観点から超伝導機構を解析したところ、Ba_<24>Si_<100>ならびにBa_<24>Ge_<100>で同程度の電子格子結合定数が見積もられた。この事は、内包原子の異常振動が創出する非調和フォノンは」、この系においては超伝導として強く影響を及ぼさない事を示唆する。
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