研究概要 |
カゴの中にゲスト原子を内包する化合物では, ゲストが独立した運動の自由度を保ちながらカゴの電子・格子系と相互作用するために, 特異な超伝導や極めて低い熱伝導などの新規な物性が発現する。熱電変換物質として注目されているカゴ状物質であるクラスレートは, 極めて低い熱伝導と巨大な熱電能を示す。その物理的起源を解明する目的で下記の研究を行う (1) 結晶構造タイプとキャリアを制御したII族元素内包クラスレートの単結晶試料, 及び希土類イオンを内包させた新規なカゴ状化合物を合成する (2) そのバルク測定(熱輸送)とミクロ測定(超音波, ラマン散乱, 中性子散乱, 光電子分光)を行う。加圧によってカゴを縮め, ゲストのラットリング運動を非中心から中心へと遷移させる (3) 巨大な熱電能と低い熱伝導とが共存できる条件を明らかにする
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