研究課題/領域番号 |
18204038
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浜野 洋三 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90011709)
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研究分担者 |
武田 靖 北海道大学, 工学系研究院, 教授 (90108481)
隅田 育郎 金沢大学, 自然科研究科, 助教授 (90334747)
櫻庭 中 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (50345261)
柳澤 孝寿 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (20359186)
藤 浩明 富山大学, 大学院理工学研究部, 助教授 (40207519)
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キーワード | 地球磁場 / ダイナモ作用 / 磁場観測 / 室内実験 / 数値シミュレーション / 古地磁気測定 / 乱流 / 地球コア |
研究概要 |
本研究の目的達成のために、磁場変動の観測、解析、室内実験、及び数値シミュレーションが有機的に結合して進められている。磁場変動の観測・解析では、短周期磁場変動観測のためフィリピン海プレート中央部(WP1)に地球電磁気観測所を設置した。また白亜紀中期の磁場変動の様相を明らかにするために、昨年度に引き続いてイタリーグッビオ地域で石灰岩試料の採集を行なった。現在、昨年及び今年度採集した試料について古地磁気測定を進めている。室内実験では、ヘルムホルツコイルシステムを製作して、金属ガリウムの熱対流実験装置に導入し、およそ20mTまでの磁場中での対流の様子を調べることができるようになった。この装置では、磁場による対流パターンの変化と、対流によって誘導される磁場を測定することが可能なことを確かめた。数値シミュレーションでは球殼熱対流によるダイナモモデルの計算を行った。コア内の乱流スペクトル(運動エネルギーと磁気エネルギーの波数依存性)を、地表で観測可能な磁場変動の時間スペクトルから推定するため、ダイナモモデルを解析することによりこれらの物理量の関係を詳細に調べた。その結果双極子磁場強度の時間変動スペクトルと外核表層の運動エネルギーが密接に関係していることを見出し、地球ダイナモについての情報を得ることが出来た。また、内核-外核境界の熱条件をパラメータとして、生成される磁場の安定性、不安定性、乱流スペクトル(運動エネルギーと磁気エネルギーの波数依存性と熱境界条件との関係を調べた。内核から外核への熱輸送の割合が増加することによって、双極子/非双極子比が小さくなり、生成される磁場が不安定になることを見出した。
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