研究課題
近い将来の宮城県沖大地震の前兆を捉えるべく、本計画前半で深層地下水変動観測システムを構築した。平成20年度および予算を繰り越した21年度に起きた地震に関してこのシステムが捉えた変動は以下の通りである。1.2008年6月14日岩手・宮城内陸地震(MJ7.2):震源距離38kmの南方サイトでの本震時の0.02℃の水温低下と450mm以上の水位低下、および本震の4日前からの水位の潮汐応答の位相異常、震源距離72kmの矢本サイトでの本震時の0.005℃の水温上昇・その直後の0.015℃の低下、および150mmの水位上昇、震源距離85kmの愛宕サイトでの本震時の0.08℃の水温低下とわずかな水位低下。2.2008年7月19日福島県沖地震(MJ6.9):震源距離172kmの愛宕サイトでの本震時の30mmの水位低下と0.16℃の温度低下、震源距離164kmの矢本サイトでの地震時の12mmの水位低下。3.2008年7月24日岩手県北部沿岸地震(MJ6.8):震源距離130kmの南方サイトでの本震時の0.012℃の水温低下と20mmの水位低下、震源距離150kmの矢本サイトでの本震時の8mmの瞬間的水位低下とその直後の30mmの上昇、および本震1時間前からの0.001℃の水温低下と本震直後の0.002℃の上昇、震源距離177kmの愛宕サイトでの本震時の40mmの水位低下と水温の上昇。なお、岩手・宮城内陸地震の震源近傍で観測しているラドン濃度は、CO2濃度に同調して変動している。
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地質学雑誌 116
ページ: 151-158
Tectonophysics 469
ページ: 13-24
大地 特集号
ページ: 44-51