研究課題
本研究では、地球成長、特に物質化学的な内部構造進化を考える上で、最も未解決かつ重要課題である中心核の地球化学に注目し、超高圧実験と超微量元素分析法を組み合わせることにより、金属核に関する地球化学的制約条件を引き出すことを目標とする。これにより、地球中心核まで組み込んだ"核-マントル-地殻-地球表層"の物質循環・相互作用や地球形成過程を議論することが可能となり、大気を含めた"全"地球システムの物質進化の議論がはじめて実現できる。本年度は、フェムトセカンドレーザー装置(Cyber Laser社製IFLIT-100)を導入し据え付け・立ち上げ作業を行うとともに、試料に対して20ミクロン領域の化学分析を行うための光学系の設計・制作を行った。これまでに12時間連続高出力運転を実施し、エネルギー損失がない光学系を組み上げることができ、本年度の研究計画を達成できた。試料導入系については、エキシマレーザー試料導入法の開発を通じて実用化した東工大T100型高性能試料セルを基本に、新たにフェムトセカンドレーザーに最適化した試料セル(東工大T200)を設計・製作した。ここで開発した試料セルは、高出力パルスレーザーによる破損が低減できるよう、0.4mmの合成石英を採用し、また試料の安定した蒸発を促進するためにレーザー照射点においてヘリウムが高速層流となるように設計した。これにより、金属元素に対して少なくとも10倍程度の感度の向上が期待できる。平成19年度は、レーザー装置を質量分析計に組み込み化学分析に対する基本性能評価を行うとともに、超高圧実験に着手する。
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