研究課題/領域番号 |
18205001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40182597)
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研究分担者 |
加藤 毅 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10321986)
歸家 令果 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (10401168)
沖野 友哉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40431895)
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キーワード | 分子構造 / 化学反応動力学 / 超高速化学 / 強光子場化学 |
研究概要 |
特別推進研究内定のため、平成19年6月7日付けで当該研究は廃止となった。そのため、平成19年度の研究実施期間は約2ヶ月間であった。 平成19年度は強光子場を利用した超高速時間分解電子回折法の開発を中心に実施した。この手法は、自由電子が強光子場と分子の両方と相互作用する際に1光子分のエネルギーを獲得もしくは放出するという現象を分子の幾何学的構造決定に応用した手法で、研究代表者らが独自に発案したものである。実験装置は、電子銃、単色電子線生成用電子エネルギー分析器、散乱領域、散乱電子分析用トロイダル型電子エネルギー分析器、および、二次元散乱電子検出器で構成され、各部は真空槽の中に設置される。個々の装置は平成18年度に製作を完了しており、本年度は、各部分を一体の装置として組み上げ、分析器等の位置調整を行った。また、真空ポンプの動作確認、真空槽のリークチェックを行い、真空槽のベーキングにより到達真空度〜10^<-7>Paを達成した。そして、電子銃部と単色電子線生成用電子エネルギー分析器の動作確認を行い、約0.6μAの入射電子線強度を得た。 実際の観測対象である光子エネルギーを獲得した散乱電子の数は、レーザー光の照射強度に強く依存する。したがって、本研究で開発する超高速時間分解電子回折法の実現には、レーザー出力の強化が重要となる。そこで、既存のフェムト秒レーザーシステム(60fs,3kHz,500μJ/pulse)の増幅段用励起レーザーを半導体励起Nd:YAGレーザー(Thales Laser社・JADE)にバージョンアップした。その結果、レーザー出力の1.4倍の強化(700μJ/pulse)に成功した。
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