研究概要 |
カチオン性ハーフサンドイッチ型スカンジウムモノアルキル錯体触媒を用いることにより、シンジオタクチックポリスチレン配列をもつスチレン-イソプレン共重合体を得ることに世界で初めて成功した。ポリスチレンブロックは非常に高いシンジオタクチシティー(rrrr>99%)をもち、重合体中のスチレン含有率(2-76mol%)は、スチレン/イソプレン比を変えることにより容易に制御できる。また、THFフリーのカチオン性ハーフサンドイッチ型スカンジウムモノアリル錯体触媒を用いることにより、他の触媒では実現できなかったノルボルネン-イソプレンランダム共重合も可能となった。共重合体中のイソプレン含有率は33-86mol%の広範囲にわたって容易に調節することが可能である。さらに、カチオン性ベンズアミジナート錯体を用いることにより、アイソタクチック3,4-ポリイソプレン(3,4選択性99%、mmmm=99%)が得られ、この触媒系に3当量以上のAlMe_3を加えると選択性が逆転しcis-1,4-ポリイソプレンが得られることも明らかにした。 一方、CGC型のハーフサンドイッチ型希土類金属アルキル錯体が、ホスフィンのカルボジイミドへの付加反応の優れた触媒となることを見出し、様々なホスファグアニジンを合成することに成功した。これらの錯体の触媒活性は、中心金属のイオン半径が増大するにつれて向上した(La>Pr,Nd>Sm>Gd>Lu>Sc)。また、末端アルキンとイソシアニドの(Z)-選択的クロスカップリング反応を初めて実現し、(Z)-1-アザ-1,3-エンインの選択的合成に成功した。
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