研究課題/領域番号 |
18205016
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
魚崎 浩平 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20133697)
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研究分担者 |
池田 勝佳 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (50321899)
高草木 達 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30359484)
野口 秀典 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (60374188)
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キーワード | 非線形分光 / 電子移動ダイナミクス / 走査プローブ顕微鏡 / ポンプープローブ測定 / 固液界面反応 |
研究概要 |
金属や半導体の表面への分子層の形成は、基礎的観点のみならず、有機EL素子、有機太陽電池、センサー、分子デバイスなどの応用面からも非常に強い興味が持たれており、これまでも活発に研究が行われているものの、機能発現の理解に不可欠である『固体/分子界面相を一体としてその電子構造を明らかにする』といった試みはほとんど無い。本研究では、電子構造の制御を目指した新規な分子層形成法を確立するとともに、分子層の二次元幾何構造と分子構造(配向)、さらには電子構造を決定し、電気特性との関係を確立することを目標として行っている。本年度の成果は以下の通りである。 1.金単結晶表面の分子構造のラマン分光:ラマン分光法は基板原子と分子層との結合に関する情報が直接得られるなど固体表面の分子層研究では非常に重要な手法であるが、感度が低く、平滑な表面では測定不可能とされてきた。本年度の研究により、非常に高い平滑性を持つ金単結晶表面に構築した有機単分子層を金ナノ粒子で被覆すると、ギャップモードでの増強が起こり、ラマン分光測定が可能となることを実証した。 2.和周波発生分光法による界面分子構造の決定:ほとんどの界面分子構造決定法では、対象分子を含む溶液中での測定では溶液中の分子と表面の分子を区別が困難である。二次の非線形分光法の一つである和周波発生分光法は表面選択的な測定であり、そのような対象に最適な手法である。本年度は本手法をゲルと固体の界面に存在する水の構造評価に適用し、摩擦と界面水構造の関係を明らかにした。 3.新規分子層形成法:複核金属ナノクラスター錯体分子の多層集積法について昨年度に引き続き検討を進め、クラスター分子を含む溶液中で電解を行うことにより、ワンポットでの多層集積に成功した。また、チオール終端分子層をSi(111)表面に構築し、その上に金属を析出させることにより、分子素子につながる結果を得た。
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