研究課題
本研究では、複数の生体機能分子が存在する夾雑系、究極的には細胞破砕液や生細胞そのものといった環境で、特定のタンパク質の特定部位を選択的に認識し、官能基修飾が可能な有機化学的な新しい手法の開発を目指している。本年度は、前年度開発したLDT化学をさらに発展させて、リガンド認識に伴って蛍光強度が増強するturn-on型の蛍光センサーのワンポット構築法を考案し、炭酸脱水酵素やSH2ドメインをモデルとして実証する事に成功した。具体的には、蛍光消光剤を切り出されるリガンド側に繋いだQ-LDT試薬を設計合成し、蛍光ラベル化後にもこれらが蛋白表面に非共有結合的に残っているようにすると、リガンド結合によってとの部分が追い出されたときに蛍光強度が大きく回復することが確認された。また、特定タンパク質にラベル化を行うために反応性タグとして、タンパク質の精製や固定化によく用いられているHisタグが利用可能であり、トシル基を連結したニッケル錯体との組み合わせにより、我々がこれまでに開発してきたAspタグとは直交した共有結合ラベリングができることを明らかにした。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 106
ページ: 5400-5405
Chem.Commun. 20
ページ: 2848-2850
J.Am.Chem.Soc. 131
ページ: 9046-9054
Bio.Med.Chem.Lett. 19
ページ: 4175-4177
Chem.Commun. 39
ページ: 5880-5882
Biochemistry 48
ページ: 10342-10352