研究課題/領域番号 |
18205025
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴山 充弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (00175390)
|
研究分担者 |
原口 和敏 (財)川村理化学研究所, 主席研究員 (10373391)
遠藤 仁 東京大学, 物性研究所, 助手 (40447313)
|
キーワード | 結合相関高分子系 / ナノコンポジットゲル / 中性子散乱 / マイクロエマルション / コントラスト変調法 / ブロック共重合体 / グラジエント共重合体 / 天然ゴム |
研究概要 |
従来の常識を覆す物性をもつ高強度・高弾性・高延伸性・高膨潤性ゲル「ハイパーゲル」の「刺激と応答」を分子次元で明らかにするために、中性子散乱を機軸とした実験的研究により詳細に解析・検討し、統計力学の観点に立った「結合相関高分子系」の分子物性物理を展開することを目的とし、以下の研究を行った。(1)クレイ高分子ナノコンポジットゲルの力学挙動とクレイ濃度依存性について研究し、クレイ近傍での高分子鎖のコンフォメーション、クレイ濃度と力学強度の関係についての知見などを得た。(2)重水/軽水混合系を溶媒としたコントラスト変調法により、ナノコンポジット(NC)ゲルの構造解析を行った。クレイで作られる制限空間内での鎖の配置(統計力学)、クレイを端点とするラジカル重合機構(重合化学)、力学物性と構造の関係(材料科学)などについての知見を得た。(3)天然ゴムの優れた力学物性の起源をタンパクおよび脂質による不均質性架橋点に由来することを解明した。(4)高性能SANS用剪断セルを導入し、マイクロエマルション擬似架橋高分子溶液系の研究を行い、中性子レオスペクトロスコピー(Rheo-SANS)を展開した。(5)ブロックおよびグラジエント共重合体水溶液のミクロ相分離の研究を行い、前者では不連続的な転移を、後者では連続的な構造形成が起こることを見いだした。(6)ソフトマター研究用に小角散乱装置の高度化を行い、新しい装置について性能評価についての研究を行うと共に様々なアプリケーション(高圧セル、高温セル、剪断セルなど)を整備し、研究の幅を広げた。
|