研究概要 |
本研究は,原子間力顕微鏡(AFM)のプローブTipを単結晶マイクロダイヤモンド超精密切削ツールEdgeに高速に自動アライメントできるTip-to-Edge光プローブ機構を提案し,それを備えた高精度でロバストなAFMを開発することによって,超精密加工機上で次世代マイクロダイヤモンドツールの3次元(3D)エッジ形状をナノメートルの精度で高速高精度に計測するものである.光プローブ機構とAFMプローブユニットをそれぞれ開発し,それらを組み合わせることによって,マイクロツールエッジ形状測定装置を実現させることを目標とした本年度は以下の研究成果を得た. 1.Tip-to-Edgeアライメント光プローブ機構を開発した.レーザの伝搬軸(Y軸)に対して,向かい合うようにカンチレバーとマイクロツールを配置した.Y軸に関してはビームウェストを基準とし,またX, Z軸に関してはビームスポットの中心を基準として,ビームウェストにおけるビームスポットの中心にAFMプローブTipとツールEdgeをそれぞれ合わせることでアライメントを行うことにした.分解能が0.1nmと7nmのPZTステージとモータ駆動ステージを用いることによって,アライメントの高精度化と高速化を同時に実現した. 2.高精度ロバストAFMプローブユニットの開発を行った.静電容量型の変位計内蔵の3軸PZTステージをAFMスキャナに使うことにより,クローズドループ制御での線形誤差を0.03%以内に抑えることができた. 3.マイクロツールエッジ形状測定装置の組み立てを行い,Tip-to-Edgeアライメント機構とAFMプローブユニットを組合わせた.そのための冶具及び関連回路,ソフトウェアを製作した. 4.比較評価のために市販の高精度AFM測定機にアライメント光プローブ機構が組み込めるように,市販AFM測定機の改造を行った.
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