研究概要 |
本研究は, 原子間力顕微鏡(AFM)のプローブTipを単結晶マイクロダイヤモンド超精密切削ツールEdgeに高速かつ自動的にアライメントできるTip-to-Edge光プローブ機構を提案し, それを備えた高精度でロバストなAFMを開発することによって, 超精密加工機上で次世代マイクロダイヤモンドツールの3次元エッジ形状をナノメートルの精度で高速高精度に計測するというものである. 本年度は以下のような研究成果を得た. 1. 加工機上でのダイヤモンド切削工具の形状測定を試みた. その構成で, 実際に切削工具の形状測定を試みた. さらに測定の対象として, Rバイトだけでなく, 直線切れ刃をもつダイヤモンドツールも加え, あわせて, 形状測定実験を試みた. 2. 昨年までに開発したエッジ形状測定装置について, 形状測定実験を繰り返し行い繰り返し性のデータ評価を行った. 具体的には, 切れ刃稜丸み半径および切れ刃輪郭の評価のばらつき具合の評価を実施した. また, この測定実験で, 作成した装置が切れ刃の20nm程度の欠けと見られる形状を捉えられることを確認した. 3. コーナ半径1.5μm程度と非常に小さなコーナ半径を持つダイヤモンドツールの位置合わせおよび三次元エッジ形状測定実験を試みた. 4. 標準試料を作成したAFMで計測することで, AFMプローブTipの形状(特にTipの丸み半径)の評価を試みた. さらにダイヤモンド切削工具を同じプローブで繰り返し測つた場合に, AFMプローブTipの摩耗の程度がどうなるか, について実験により確認した.
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