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2007 年度 実績報告書

磁気共鳴・レーザ計測の先進化による発電モードでの燃料電池の物質移動・劣化機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 18206023
研究機関東京工業大学

研究代表者

平井 秀一郎  東京工業大学, 炭素循環エネルギー研究センター, 教授 (10173204)

研究分担者 津島 将司  東京工業大学, 炭素循環エネルキー研究センター, 准教授 (30323794)
末包 哲也  徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30262314)
キーワード燃料電池 / 水分輸送 / 磁気共鳴イメージング / レーザ計測
研究概要

燃料電池の物質移動ならびに劣化機構の解明のためには,発電モードでの燃料電池内における水分輸送を基礎的に明らかにする必要がある.本年度は,前年度に開発しその有効性が示された,磁気共鳴イメージング(MRI)法に重水(D_2O)および重水素(D_2)による水分区別手法を組み合わせた高分子電解質膜内水分の入力経路の可視化手法の開発を行った.さらに,0.3A/cm^2までの低電流密度領域における発電時の高分子電解質膜内水分流入経路の解明を行い,以下の知見を得た.
(1) アノード・カソード加湿水量が同等の場合,相対湿度を84%と高く設定したとしても加湿水は電解質膜内には流入せず,電解質膜内水分のほとんどが発電生成水に起因するものであり,このとき加湿水は電解質膜内水分を蒸発させにくくするキャップの役割を果たしている.
(2) アノードフル加湿・カソード無加湿条件の場合,アノード加湿水が電解質膜内水分の1/3程度を占めている.このことから,アノードの相対湿度をカソードに比べ高く設定することでアノードの加湿水を積極的に電解質膜内に取り込むことが可能である.
(3) アノード無加湿・カソードフル加湿条件の場合,カソード加湿水は電解質膜内に直接取り込まれていない.しかし,電解質膜内水分分布が(2)の場合よりもよりフラットになる.このことから,カソード加湿水は発電生成水を液水に保ち,カソードからアノードへの水の流れを助長する,重要な役割を担っている.
これより,加湿水が電解質膜に直接取り込まれる条件は非常に少なく,加湿水に代わって膜内水分の蒸発を抑制するような物理的機構,すなわち,微細孔層の挿入などが加湿水量の低減を図るのに有効である可能性が示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Visualization of Membrane Hydration Path in an Operating PEMFC by Nuclei-Labeling MRI2007

    • 著者名/発表者名
      T. Kotaka, S. Tsushima, S. Hirai
    • 雑誌名

      ECS Transactions 11

      ページ: 445-450

    • 査読あり
  • [学会発表] 核ラベリングMRIを用いた発電時におけるPEFC電解質膜内水分パスの可視化2007

    • 著者名/発表者名
      小高敏和, 津島将司, 平井秀一郎
    • 学会等名
      第48回電池討論会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2007-11-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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