研究概要 |
本研究は,超臨界流体中での反応により,下地の幾何学的形状のみを利用して,高アスペクトのナノ構造に選択的に金属や化合物を析出・充填する。その細孔凝縮(吸着)検出手段としてのエリプソメトリ手法を開発することが目的である。分光エリプソメータを導入し多波長解析を行うことにより,取得情報の増大ならびに測定精度の向上を図った。吸着メカニズムに関する基本的な知見を得るため,吸着剤に多孔率の水準を変えた多孔質薄膜を用い,さらに吸着子としてこれまでの金属錯体に加えて,アルコールやアセトンなどを利用し,吸着条件と吸着量との対応関係をより詳細に調査した。具体的には吸着子濃度を1〜10%程度,環境温度を40〜150℃と変えて行い,反射偏光パラメータをその場測定した。その結果,濃度と偏光パラメータの間に正の相関があること,吸着応答は極めて早い=すなわち吸着が平衡過程で,浸透速度が律速となっていないことを見出した。
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