研究課題
p型GaNゲートを有するAlGaN/GaNのヘテロ接合型電界効果トランジスタ(Junction-type Heterostructured Field Effect Transistor: JHFET)は、p-GaNのMg濃度、AlGaNバリア層の組成や膜厚により閾値電圧が制御可能であり、特にハイパワースイッチングデバイスとして必須のノーマリーオフ動作が容易に実現できる。しかしながら、p-GaNエッチング後のAlGaN表面の不安定性による移動度低下が原因で、最大ドレイン電流が数十mA/mm程度と非常に小さいことが問題であった。また、高電圧のスイッチングのためには高耐圧が必須であるが、その評価はなされていなかった。今年度、1.SiNパッシベーション膜の最適化により、最大ドレイン電流の増大、および2.デバイス構造と耐圧の関係を明らかにすることを目的として研究を遂行した。その結果、最大ドレイン電流はSiN保護膜の膜厚と相関が強いことが明らかとなり、SiN膜厚5nmにおいて、最大ドレイン電流がゲート電圧4[V]において1.58×10^<-1>[A/mm]と、ノーマリーオフ型FETとしては極めて高く、かつリーク電流が1.45×10^<-8>[A/mm]と極めて少なく、ON/OFF比が7桁以上、サブ閾値電圧が90[mV/dec.]と小さく、また低消費電力動作に必須の低オン抵抗3.4[m・cm^2]を実現した。また耐圧は家庭用クーラーのインバーター用としては十分な325[V]であった。更に、耐圧はソースドレイン間距離に比例することを実験的に証明した。
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