研究概要 |
本研究では,高非線形光ファイバを駆使した超高速光信号処理回路を開発し,160Gbit/s光時分割多重(OTDM)システム上で性能評価することにより,その実用性を検証することを目的とする。 今年度は,160Gbit/sに時間多重可能な10GHzピコ秒パルス列を安定に発生させる方式として,種々のパルス圧縮法を比較検討した。その中で,光導波路型Fabry-Perot電気光学(Fabry-Perot electro-optic:FP-EO)変調器]によって発生した光コムを光フィルタで切り取る方式が最適であることがわかった。この方式では,CW光をFP-EO変調器によって周波数f_mで位相変調する。この位相変調によって,長波長シフト及び短波長シフトした繰返しf_mのパルス列が交互に並ぶ繰返し周波数2×f_mの光パルス列が得られる。このパルス波形はローレンツ型であり,隣接パルスの周波数が異なる為に,光時間多重への応用に適しているとは言えない。しかし,光フィルタによって光コムの長波長または短波長シフトした成分のみを抽出すれば,高消光比の繰返し周波数f_mのパルス列が得られることが明らかになった。この光パルス特性の詳細な評価を行い,160Gbit/sシステムに適用可能なパルス品質を有することを示した。光回路の設計に基づきデバイスの試作を行い,160Gbit/sへの時間多重が可能なことを実証した。 さらに光時分割多重伝送用受信器においては,クロック抽出回路および時間多重分離回路が主要な機能となる。今年度は,ニオブ酸リチュウム光位相変調器を用いた16oGbit/sから40Gbit/s4チャンネルへのDEMUX回路を設計し,基本動作を実証した。
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