研究課題
現在の画像工学は3次元空間情報をそのままの形では取り扱えず、平面に投影し2次元情報に縮退して処理をしなければならないからため、十分な学理となっているとは言えない。本研究では、3次元空間情報の本質に立ち返り、空間情報をその基本構成要素である「光線」によって表現することとし、映像システムを構成する入力系・処理系・表示系を光線ベースで統一的に捉え直す。これによって、画像工学の体系を再構築し、新しい学理である光線画像工学の創成を目指す。今年度、重点的に研究を行ったテーマについて以下に述べる。【光線空間とホログラムとの相互変換の研究】3次元画像を光波面として捕らえ、記録するホログラムもまた、光線空間と同様に3次元空間情報を記述する手法の一つである。光線空間とホログラムの相互変換に関する理論的検討を行い、光線空間を複素数に拡張することで両者が等価な情報を記述でき、過不足なく相互変換が行えることを示した。【光線情報取得法の高精度化の研究】光線情報の取得手段として最も一般的なものは多数のカメラを用いる方法である。多数のカメラを位置・方向について精度よく配置することは非常に大変な作業であり、これが得られる光線情報の精度に多大な影響を及ぼしている。そこで、カメラキャリブレーション技術を応用し、カメラの設置を効率的に行えるシステムを開発した。【光線空間の信号処理による特殊映像表現の研究】光線空間の信号処理によって光学効果を含む特殊画像の生成方式を検討した。その結果、レンズによる虚像や上位蜃気楼、また平面鏡による反射像および合わせ鏡による多重反射などを含んだ画像の生成を実現した。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (33件)
ECTI Transaction on Electrical Engineering, Electronics and Communications 6
ページ: 3-14
IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology 17
ページ: 1436-1449
電子情報通信学会論文誌 J90-D
ページ: 1721-1725
ページ: 1718-1720