研究課題/領域番号 |
18206046
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
篠田 裕之 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教授 (40226147)
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研究分担者 |
安藤 繁 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (70134468)
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キーワード | 2次元通信 / ユビキタス / センサネットワーク / 人工皮膚 / ウエアラブル / 分散コンピューティング / 拡散信号伝送 / インタフェース |
研究概要 |
二次元通信とは、薄いシート内を伝播するマイクロ波によって信号を伝送する技術である。媒体面のどこに端末を近接させてもギガビット級の高速通信が可能で、媒体から端末への電源供給も同時に行うことができる。什器表面での機器接続、壁面や天井における各種センサの接続、衣類のような媒体への素子実装などが可能になる。 本年度は二次元通信の基本形態のうち、通信層の外面にコネクタを近接させて結合するタイプ(タイプI)と通信層の内部にコネクタを埋め込み動作させるタイプ(タイプII)の2種類について、その実現方法、最適構造、性能限界を理論的・実験的に評価して技術の確立を行った。 タイプIは通信シートを構成する導電層をメッシュ状にし、面を流れる電流にとってはインダクタンスとして機能する構造を付与することで実現する。本年度はそれらのインダクタンス、通信層誘電率、厚み等の物理パラメータと、通信シートを伝搬する電磁波長、通信シート上電磁波の消失特性、通信シートに近接する近接コネクタとの結合特性との関係を理論的に明らかにした。またそれらの理論を、試作した通信シート、近接コネクタによって実験的に確認した。さらにそれらを室内ネットワークに応用する実証実験を行った。 タイプIIにおいては、通信層の内部に埋め込まれた素子電極と通信層との間で安定に電磁結合を確保する構造として「共鳴近接コネクタ」を提案した。電磁波長の1/4の長さをもつ導線をらせん状にしたコネクタによって、コネクター通信層の間の距離変動によらず密な電磁結合を維持することができる。これによって通信素子を導電層に電気接続する必要がなくなり、布地などの柔軟性を損なわないまま素子を柔軟素材に実装できるようになった。また接続部への応力集中も生じないため、物理的な丈夫さも得られる。この技術のアプリケーションとして、人工皮膚、筋電計測サポータ、3次元形状キャプチャシート等の試作を行った。
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