研究課題
二次元通信とは、物体表面や薄いシート内を2次元伝播する電磁波で通信する技術である。種々の柔軟材料・低コスト素材で作製可能な二次元通信層を、壁、床、机などの表面や、衣服などの布状シートとして作りこんでおく。その表面に専用のインタフェースを近接させると、電磁波は通信シートの内部および近傍を伝播し、通信シートに近接している他の通信素子と通信をする、というものである。マイクロ波による安全な電力伝送も可能であると考えられる。本研究では特にマイクロ波帯での二次元コネクション技術を確立するとともに、これらを用いたセンサネットワーク、特に柔軟体に多数のセンサ素子を埋め込んで通信するアプリケーションを展開した。平成20年度は、おもに以下のような研究を行った。(1)電力伝送手法の開発と漏洩電波の分析電波防護指針を満たしながら10cm角のデバイスに10Wの電力を伝送する低漏出通信シート・カプラを設計する基本原理を示すとともに、その具体的な実現方法を示した。通信シートに接触する生体が吸収する電力、空中への電磁波の漏出を評価し、それらが基準値以下となるための低漏出通信シート仕様を明らかにした。さらに電磁波漏出の小さい通信シートに結合できる高効率近接コネクタを開発した。(2)シート上での位置検出方法の開発通信シート上での端末位置を、通信シート表面の導体パターンを読み取ること計測する手法を確立した。通信シート表面の導体パターンを、電磁波の伝搬特性を保存しながら変化させることで位置情報を書きこむ。それを静電容量センサアレイによって読み取ることで自分自身の位置を推定する。1mm程度の測定誤差を実現するアルゴリズムを確立し、実証実験までをおこなった。(3)布媒体による筋電計測サポータの開発筋電位を計測する微小素子の開発を行い、複数素子を柔軟シートに実装して信号読み取りを行うことに成功した。
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