研究分担者 |
佐藤 靖彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60261327)
佐伯 竜彦 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90215575)
岸 利治 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90251339)
服部 篤史 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30243067)
武若 耕司 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10155054)
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研究概要 |
本研究課題では,コンクリート構造物の長期的な耐久性評価をなし得る暴露環境モニタリングシステムの構築を目指し,コンクリート構造物の近傍で気象情報観測が可能な装置により,コンクリートの耐久性に密接に関連する気象情報を取得して,各地域間で相互比較が可能なデータを整備することを目的とした. 暴露環境モニタリングシステムによって得られる気象情報に関しては,札幌(北海道大学),仙台(東北大学),つくば(独立行政法人土木研究所),久里浜(独立行政法人港湾空港技術研究所)および岡山(岡山大学)にてデータを取得中である.また,コンクリート共通試験体による暴露実験については,本年10月に暴露材齢5年となるため,この時期に供試体を回収し,耐久性に関わる諸物性の測定・分析を実施する予定である.なお,実験結果等のデータベースの構築ならびにwebでの公開については,これらのデータが集約した段階で実施する予定である. 本研究課題を通じて、以下の結論を得た. (1)気象観測拠点を土木研究所内(茨城県つくば市)と港湾空港技術研究所内(神奈川県横須賀市)に設置し,両観測地点の気象条件を比較し,コンクリートの物性調査結果と併せて考察した.その結果,港湾空港技術研究所内の観測地点と比較して,土木研究所内の観測地点の方が夏期の最高気温も高く,冬期の最低気温も低い.すなわち,コンクリートの物性に何らかの影響を及ぼすと考えられる気温の上下差は,港湾空港技術研究所よりも土木研究所の方が過酷であることが判明した. (2)供試体設置場所の環境条件と,コンクリートの圧縮強度の結果と関連付けると,気温差の激しい土木研究所内の観測地点のでは水セメント比の違いによるコンクリートの圧縮強度の変化が大きくなり,気温の上下差の少ない港湾空港技術研究所内の観測地点の方が圧縮強度に及ぼす水セメント比の違いの差が少なかった.
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