研究課題/領域番号 |
18206048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
國島 正彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00201468)
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研究分担者 |
小澤 一雅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80194546)
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
古阪 秀三 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60109030)
渡邊 法美 高知工科大学, 工学部, 教授 (30240500)
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キーワード | 公共工事の代金支払い方法 / 契約マネジメントシステム / 進行支払い(出来高部分払い)方式 / 前払金 / 単価総価契約 / 総価契約 / 受入検査 / 品質管理 / 品質保証 / 透明性 / 双務性 |
研究概要 |
現在の我が国の公共工事の代金支払い方式、すなわち前払金および残金工事竣工時一括払いの慣行は、欧米諸国およびアジア諸国と著しく異なっているという観察事実に基づき、契約マネジメントシステムの根幹である工事代金支払いに関する「制度」「運用」「商慣習・社会慣習」の現状と歴史的経緯について、研究代表者および研究分担者が個別に、スイス、オーストリア、中国(上海・香港)、台湾、ベトナム、タイにおいて訪問聞き取り調査を実施した。 その結果、いずれの国においても、前払金および残金工事竣工時一括払いを実践している公共発注者は皆無であり、前払金なしの進行支払い(出来高部分払い)方式であることが分かった。訪問国の建設工事請負契約は、工事項目、仕様、工事数量と単価を入札契約書類に明示した単価総価(総価単価)契約が殆どであり、我が国の公共工事が総価契約であることに対して著しい違和感を持たれた。進行支払い方式して採用してきた理由として、公共発注者と元請受注者、および元請受注者と下請けの専門工事業者や資機材供給業者等との関係の透明性および双務性が確保できること、および公共工事の品質保証が、受注者の品質管理・発注者の受入検査を組み合わせることによって的確に実現できること等が明らかとなり、代金支払い方式の総合的な全体像の理解と認識を研究分担者等で共有することができた。 平成18年度の研究成果を公表すると共に、我が国の公共工事の代金支払い方法を進行支払い(出来高部分払い)方式に変更する政策提言を続けた結果、国土交通省直轄事業の建設生産システムにおいて、発注者の受取検査を充実し支払い制度を見直して、施工プロセスを通じた新たな検査制度を導入するという制度設計を目指すこととなった。
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