研究概要 |
鉄道や道路などの高架橋の保全のための損傷検知,地震などの突発災害時のあとの損傷検知をセンシングにより行う方式を研究してきた.荷重源として,あるいは,センシング情報の収集として,自動車や列車などの移動体も視野に入れている.本研究で現在行っていること,および得られた知見は, 1)多次元ARモデルを使った局部応答からの分散型損傷検出アルゴリズムの構築とその検証 2)ウェーブレートを使った地震応答のデータからのリアルタイム損傷検出アルゴリズムの構築とその検証 3)東大キャンパス建物での地震応答計測とデータの蓄積 4)実建物,構造物を対象とした簡易リアルタイム損傷検出法の構築 5)長大橋を対象に,横浜ベイブリッジの多点地震応答記録を入手し,開発した多点入力多点出力データにより動特性同定を適用し,高次モードまでの固有振動数,モード減衰,モード形の検出に成功した 6)上記の間題において,橋軸方向の1次モードに3種類存在することがわかった.この3つのモードは,端部の2つのリンクが回転するか否かによって生じ,設計では考慮されていないモードが実地震時に発生しうることを明らかにした.また,この回転の有無が大地震の応答,安全性に及ぼす影響について,検討を加えた.
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