研究課題/領域番号 |
18206050
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研究機関 | 独立行政法人土木研究所 |
研究代表者 |
運上 茂樹 独立行政法人土木研究所, 耐震研究グループ, 上席研究員 (60355815)
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研究分担者 |
田中 茂信 独立行政法人土木研究所, 水災害リスクマネジメント国際センター, 上席研究員 (70414985)
杉本 健 独立行政法人土木研究所, 耐震研究グループ, 主任研究員 (90442847)
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キーワード | 津波 / 高潮 / 橋梁 |
研究概要 |
津波や高潮による橋梁の流失被災メカニズムを解明するとともに、橋梁の被害を軽減するための対応策に資することを目的として、既往の津波、高潮、高波による橋梁構造物の被害事例を収集・分析するとともに、橋梁被害に基づく力学モデルの構築の検討を行い、被災メカニズムを検証するための水理実験と被災橋梁のシミュレーション解析を実施した。 平成18年度の主要な成果は下記のとおりであった。 1)インドネシア人研究者2名及び米国ルイジアナ州政府橋梁技術者1名を招聘し、既往の津波、高潮、高波による橋梁の被害事例の詳細なデータを収集した。 2)収集した橋梁被害の分析によれば、上部構造が流失した橋梁あるいは大きな残留変位を生じた橋梁では下部構造の沓座に上部構造を載せただけの構造であること、支承部で下部構造と剛結した構造あるいはせん断キーを有する橋梁の場合はほとんど被害が生じていなかったことが明らかになった。被害から見た力学的な作用としては、浮力、揚圧力とともに、横力が影響することが考えられた。 3)収集した被災橋梁の情報をもとに、津波被害を受けたインドネシアのコンクリート橋1橋、鋼橋1橋の1/50の模型、高潮被害を受けたコンクリート橋1径間の1/25の模型を作製し、津波あるいは高潮襲来時の海象条件を再現した水理実験を実施した。その結果、被災地で見られたような橋桁の移動や流失現象を再現することができ、また津波あるいは高潮襲来時に橋梁に作用する抗力や揚力に関する基礎実験データを得ることができた。 4)被災橋梁と水理実験模型を対象に、個別要素法による津波あるいは高潮を受けた橋梁のシミュレーション解析を実施し、被害及び実験結果を定性的には再現できた。
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