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2007 年度 実績報告書

地球水循環変動の極端事象メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18206053
研究機関東京大学

研究代表者

小池 俊雄  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30178173)

研究分担者 谷口 健司  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (20422321)
キーワード水文学 / 水循環 / 極端事象 / 気象庁長期再解析データ / CEOP / 温暖化
研究概要

本研究では地球規模の統合的で集中的な水循環データと統合情報融合システムを用い,近年頻発する気象分野における極端事象の発生,拡大,終息の物理的メカニズムと,極端事象の間に存在する共通性と特異性及び関連性に関する解析を行う。平成19年度においては,平成18年度に実施した日本の夏季豪雨に関する解析結果をもとに,IPCC第4次報告書作成のために使用された温暖化実験(CoupledModelIntercomparisonProjectphase3:CMIP3)によるデータを用いて,温暖化下における日本の夏季豪雨イベントを抽出し,大気場の変動に関する解析を行った。温暖化下での夏季豪雨イベントの抽出においては画像解析のひとつであるパターン認識の手法を用いた。まず,気象庁長期再解析データ(JRA25)から,特に湿舌を伴う夏季豪雨イベントを複数抽出し,その平均大気場を教師データとした。CMIP3データは複数のモデルによる出力があり,異なる空間解像度を有しているため,JRA25より作成した教師データには前処理として比較対象となるモデルごとにリサンプリングを行った。温暖化下での豪雨イベントの抽出は,850hPa等圧面における比湿と水平発散,及び海面較正気圧を,適当な閾値を与えて2値化したデータの分布の類似度を算定することによって行った。類似度は,解析対象領域における教師データとCMIP3出力との差分の総和によって判定した。上記の手法を各モデルの複数の温暖化シナリオに適用し,2046年〜2055年及び2091年〜2100年の各10年間における豪雨イベントの頻度を比較したところ,複数のモデル出力において2091年〜2100年の方が減少するという結果を得た。これより,地球温暖化の進行が,日本における湿舌を伴う夏季前線性豪雨の頻度現象を引き起こす可能性があることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 気象庁長期再解析データを用いた夏季前線性豪雨時の広域的大気構造の研究2008

    • 著者名/発表者名
      冨田 惇, 谷口 健司, 小池 俊雄
    • 雑誌名

      水工学論文集 第52巻

      ページ: 319-324

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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