研究課題/領域番号 |
18206057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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研究分担者 |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 教授 (40182852)
中山 亜紀 京都大学, 工学研究科, 助教 (10335200)
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キーワード | 放射線等価係数 / 白血病 / ベンゼン代謝生成物 / バイオマーカー / タンパク質 |
研究概要 |
様々なタンパク質の発現ががんと密接な関係を有しており、解析技術の進歩も相まって、近年ではがんにおけるタンパク質発現プロファイルの解析が盛んに進められ、診断や治療に腫瘍マーカーが利用されることも少なくない。加えて、京都大学原子炉実験所の渡邉らの研究グループは、放射線発がんの一次標的はDNAそのものではなくタンパク質である可能性を示唆する研究結果も報告されている。 従って、今年度は染色体異常といった遺伝子レベルでの変化ではなく、タンパク質そのものの変化をバイオマーカーとすることを検討した。 まず、ヒト正常骨髄由来CD34+細胞を用いて、X線を照射し、二次元電気泳動法により特異的に発現量が変化するタンパク質を探索した。その結果,14個のタンパク質スポットで発現量の変化を確認した。また、ベンゼン代謝物について同様に二次元電気泳動法により特異的に発現量が変化するタンパク質を探索したところ、28個のタンパク質スポットについて特異的な発現量変化を確認した。そのうち2つのスポットはX線とベンゼン代謝物双方で共通したスポットであり、バイオマーカーとしての利用できる可能性が示唆された。現在、これらのタンパク質の同定解析中である。
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