研究課題
本研究は、ヒト細胞を用いる室内実験により把握が可能な染色体異常をマーカーに設定し、広島・長崎の原爆被災者を対象にする疫学調査データに依拠して、都市生活環境中に存在しヒトへの日常的曝露が懸念される有害化学物質による健康リスクを評価・ランキングするための、信頼度の大きい実用的な健康リスク評価枠組みを構築することを目的とする。平成20年度には、1.ヒト正常骨髄細胞を用いた染色体異常試験の実施および2.ベンゼンのヒトPBPKモデルの構築、を行い放射線等価係数の決定と白血病リスク評価を行った。その結果、1ug/m3のベンゼンに70年間曝露された場合、白血病リスクは1.2×10^<-7>-2.8×10^<-7>と推定された。EPAはヒトの疫学調査の結果から推定される白血病リスクを、2.2×10^<-6>-7.8×10^<-6>と推定しており、これと比較くすると、約1/10-1/20程度となった。EPAの推定値よりは過少評価ではあるものの、in vitro毒性試験結果を用いた積み上げ型のリスク評価システムとしては良好な推定結果であると考えられる。
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Risk Analysis 29
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