研究概要 |
ベンゼン代謝物のうり白血病発症に強く関連するカテコールとγ線をヒト正常骨髄細胞に曝露し、マイクロアレイその遺伝子発現量の解析を行った。その結果、テコールとγ線双方に共通して発現量の変化する遺伝子として、JUN、GADD45Aなどが検出され、これらの遺伝子は放射線等価係数を設定するに当たり、重要な遺伝子候補であることが示唆された また於射線等価係数による健康リスク評価の枠組みにおいて個人差を扱うため、カテコールをAsian, Hispanic, Black, Caucasian由来の正常骨髄細胞に曝露し、その解析結果から白血病発症機構と関連のある遺伝子群の発現量の差異から、個人差を定量的に評価する方法を検討した。本研究で提案した方法によると、カテコールによる毒性に対して最大で3.74倍の個人差が確認された。 この個人差を放射線等価係数によるリスク評価の枠組みに適用し、ベンゼンによる白血病発症リスクを推定したところ、疫学調査によるリスク評価結果の約10倍の過少評価となり、昨年度までのリスク推定結果から改善された。
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