研究課題/領域番号 |
18206058
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三橋 博三 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90091751)
|
研究分担者 |
金子 佳生 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60312617)
前田 匡樹 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30262413)
西脇 智哉 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (60400529)
|
キーワード | ひび割れ / ハイブリッド型繊維補強 / セメント複合材料 / 耐久性 / 損傷度 / 自己修復 / 耐震性能 / 高靭性 |
研究概要 |
本研究では、新しいハイブリッド型繊維補強複合材(以下、HFRCC)を用いて、ひび割れ抵抗性能を大きく改善し、コンクリート構造物を長寿命化する方法の開発に取り組んだ。そのために、収縮ひずみの拘束や地震力の作用によるHFRCC構造部材のひび割れ性状を把握するとともに、耐久性の向上にこの新素材がいかに有効かを定量的に明らかにするために、以下の研究を行った。 (1)新材料HFRCCの開発 これまでに開発したHFRCCの性能を向上させるために、新たな調合を検討した。さらに、圧縮および引張試験を実施した。これらは、材料の軟化域をも含む力学的挙動のモデル化のための基礎資料となるものである。 (2)HFRCCの非線形解析モデルの開発 HFRCCの一軸圧縮および引張応力下での力学挙動を、ポストピークも含めてモデル化を試みた。さらに、異形鉄筋との付着挙動のモデル化についても検討した。 (3)柱の水平繰り返し加力実験と損傷との関係評価 標準的な形状・配筋を有する柱試験体について、横補強筋量、およびHFRCCの調合の差異が、地震時の柱の損傷度や修復性に及ぼす影響について実験により検討した。また、圧縮にも引張にも粘り強い高靭性材料であるHFRCCの特長を生かした新しい耐震構造部材の検討を行った。 (4)HFRCCの耐久性に及ぼすひび割れ形状の影響に関する基礎的検討 HFRCC試験体に載荷してひび割れを発生させ、ひび割れ形状と透水速度との関係ならびに鉄筋腐食速度との関係を調べた。 (5)未水和セメント粒子の再水和による自己修復に関する基礎実験 高強度を得るために低い水セメント比とすることによって、硬化後も水和反応しないままに残っているセメント粒子を含むHFRCC試験体に微細なひび割れを与え、水分を供給することによって再び水和反応を発生させ、自己修復するための調合およびひび割れ幅の限界条件を調べた。
|