研究課題/領域番号 |
18206060
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
崎野 健治 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (70037985)
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研究分担者 |
河野 昭彦 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (60136520)
江崎 文也 福岡大学, 工学部, 教授 (90127986)
中原 浩之 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (60315398)
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キーワード | 鋼コンクリート合成構造 / 制振壁 / 制振梁 / 履歴ダンパー / 繋梁 / 累積塑性変形 / 圧着工法 / 疲労破壊 |
研究概要 |
本研究の主要課題である、制振壁(履歴ダンパー内臓型耐震壁)に付き、周辺柱がRC柱の場合(2体)とCFT柱の場合(3体)の2タイプの3層制振壁について実験的研究を行い以下の結論を得た。 1.いずれのタイプの制振壁も想定した転倒降伏機構を形成し、小さな層間変形時に降伏し、履歴ループの形状が紡錘型となるほぼ理想的な制振部材としての挙動を示した。 2.制振壁の最終的な破壊性状はH型鋼製の繋梁ウエッブの疲労破壊となる。疲労破壊を生じるまでの、累積塑性変形量は繋梁の形状や壁版への取り付け詳細により異なるが、2.5〜4.0rad.の値となる。 3.繋梁の壁板への取り付け詳細の設計が不適切な場合、壁板コンクリートの局部的な圧潰や繋梁のウエッブの疲労破壊以外の破壊性状を生じることがあるが、これを防ぐための設計法を明らかに出来た。 4.3層制振壁の履歴強度に関する実験結果は、繰返し弾塑性解析により精度良く予測できる。 圧着工法により施工するプレキャスト合成構造骨組に関しては、2層3スパンの骨組1体と柱、梁よりなる部分架構の実験を行い、以下の結論を得た。 1.柱を圧着工法により、梁を後施工コンクリートで湿式接合して組み立てる提案工法は、2層3スパンの試験体を製作した結果、予定通りの施工が可能であり、実用化が充分可能であることが実証された。 2.骨組と部分架構の実験結果より、本工法による骨組は原点指向型の復元力特性を示し、セルフセンタリング機能を有することが分かった。また、その性状は繰返し弾塑性解析により精度良く予測できる。 端部下弦材に履歴ダンパーを組み込む合成トラス梁については、解析的研究によるブイージビリティースタディを実施し、その実現性の見通しを得るとともに、次年度に実施する試験体の設計を行った。
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