| 研究概要 |
本年度に実施した研究により,以下の研究成果を得た.
1.周辺柱にCFT柱を用いた試験体(3体),鋼管横補強RC造柱を用いた試験体(3体),合計6体の3層1スパン制振壁(履歴ダンパー内蔵型耐震壁)の一定軸力下での繰返し水平力載荷実験を行った.実験変数は1)周辺柱形式,2)繋梁の壁板への定着詳細,3)開口周囲の中間柱の曲げ補強法,4)載荷履歴プログラム,である.実験の結果,全ての試験体は平均層間変形角が0.015rad以内においては履歴ダンパーと層間変形一様化機能を持つことと,その履歴性状が通常の構造解析プログラムにより,ランダムな載荷履歴を受ける場合も含めて精度よく予測できることが明らかになった.
2.制振壁とRC造フレームよりなる建物の耐震性能を,3,6,12,18層のプロトタイプ建物を想定して,静的および各種地震波に対する動的応答解析を行なった.その結果,最大地震動速度50kineの各種地震波に対する最大層間変形角が0.01rad以内という性能を要求される必要ベースシアー耐力は,純フレームの場合よりも小さく出来ることが明らかになった.
3.セルフセンタリング機能を持つプレキャスト・プレストレスト構法による各種部分架構について,1)工法,2)部分架構形状,3)軸力の大きさなどを実験変数にとり約10体の試験体を用いた実験を行い,施工可能で所要の性能を持つ骨組の設計・施工が可能であることを明らかになった.
|
