研究課題
建築におけるエネルギー消費に起因するCO2排出量の削減は先進諸国に共通した課題であり、より実効性のある技術の普及が求められている。その課題の解決のためには、個々の省エネルギー要素技術の効果の明確化、統合した場合におけるエネルギー消費量推計精度の向上、建築物建設に係わる多様な職能間の技術情報流通円滑化、といった具体的課題の克服のための技術開発が必要となっている。建築外皮側の要素技術として、外皮構造体の断熱・気密性確保技術及び間仕切壁等内部仕切りの気密性確保技術、自然通風による排熱及び室内気流形成、日射遮蔽外皮による日射取得量の低減に着目し、外皮の断熱及び結露に係る耐久性維持手法の検証、建物各部の風圧係数データベースの改良と整備、各種換気部材の流量係数データの整備、夜間換気等による排熱現象の解析に関して取り組んだ。また、設備側の要素技術として、空調システムの部分負荷時効率向上に関わる問題点の抽出と解決策の検討に着目し、空調機の部分負荷特性の測定等を行った。また、照明、事務機器等からの発熱負荷量の現状と設計物件における予測方法の検討、発熱量抑制のための機器選定方法の整備に取り組んだ。これらの外皮と設備を横断的に捉えた特性の把握、効果の定量化によって、統合的設計に向けた技術的基盤に一定の進歩をもたらしたと言える。さらに、外皮及び設備の省エネルギー対策技術を統合した設計技術の整備と普及のため必要となると考えられる設計手法の枠組みについて検討を行って、国際規格ISOとしての提案準備を進めた。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)
Proceedings of the third international workshop on natural ventilation 第3巻
ページ: 3-1-3-6
IBEC No.169
ページ: 46-47
IBEC No.167
ページ: 56-58