本研究は、これまでに申請グループが開発した「地区を単位とした個別のまちづくり事業」に対応した「まちづくりデザインゲームを核としたまちづくり支援システム」を基礎として、広域(首都圏で言えば私鉄駅の駅勢圏、複数の小学校区のまとまり程度)の多様な主体が連携し、このシステムを応用しながら、20年から50年という長期にわたり地域の将来像の実現を目指す「地域まちづくり」のための技術とシステム開発を行うことを目的とする。 2008年度は、研究の最終年度として次の二点を行った。1)まちづくり支援データベースの完成2)まちづくりを考えるための社会実験 1)は2007年度から引き続いて行われたもので、2008年度中野区とその周辺地域のまちづくりアイディアやデータを地図のポイントとリンクする、flashを用いたインターフェースのデータベースを作成した。また、データベースに入力するためのコンテンツ作成を行った。特に沼袋地域についてはデータを入力後、まちづくり参加住民に対してデータベースの使用感を確認した。また、本データベースと鶴岡のカード型参加入力型データベースを作成し、相互の連結による可能性を検討した。 2)はまちづくり協議のプロセスを擬似的に体験し、データを蓄積するための社会実験として、建築・まちづくりに関心のある学生を被験者として11月に行った。本社会実験ではデータベースを活用して社会実験ワークショップのプログラムを構築した。 さらに、完成したデータベースについてまちづくりデータベースとGISの専門家と意見交換を行い、データベースの今後の可能性と方向性を明らかにした。
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