研究課題/領域番号 |
18206066
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
幾原 雄一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (70192474)
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研究分担者 |
溝口 照康 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (70422334)
柴田 直哉 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (10376501)
山本 剛久 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (20220478)
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キーワード | 転位構造 / バイクリスタル / 小傾角粒界 / 配列制御 / デバイス / 高分解能電子顕微鏡 / 薄膜 / セラミックス |
研究概要 |
平成18年度は、粒界性格制御バイクリスタル法による規則配列転位の導入と、薄膜/基板格子ミスフィット制御による薄膜への高密度転位の導入を試みた。その結果以下の知見を得た。 アルミナ[1100]結晶軸を回転軸とする小角対称傾角粒界からなる双結晶を種々作製し、転位構造を系統的に調べた。ねじり成分の無いアルミナ小角粒界においては、basal転位のみが形成されるのに対し、ねじり成分を有する粒界においては5つの部分転位が周期的に導入され、特異的な転位構造が形成されることが分かった。高分解能TEMによる転位コア原子構造観察及び高角度傾斜TEMによる転位方位解析により、部分転位が0.16度のねじり成分を補償するために導入されていることを突きとめた。このことは、ねじり成分を高精度に制御することにより、粒界転位の規則性を制御できることを示唆している。 また、[100]軸配向BaTiO_3薄膜をPLD法により作製し、薄膜に形成されたBaTiO_3[001]軸小傾角粒界の原子構造を調べた。{100}画を粒界面とする小傾角粒界上には、バーガースベクトルb=a<100>を有する完全転位が形成されるのに対し、{110}面を粒界面とする場合にはバーガースベクトルa/2<110>の転位に分解することが明らかになった。このことは粒界面の異なる小傾角粒界を作製することによりバーガースベクトル及び転位配列を制御できることを示唆している。 平成18年度の研究によって、転位を高度に制御のための指針を得ることが出来た。
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