研究課題/領域番号 |
18206069
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
垣花 眞人 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50233664)
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研究分担者 |
ペトリキン ヴァレリー 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20375166)
冨田 恒之 東海大学, 理学部, 助手 (00419235)
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キーワード | 水 / グリーンプロセス / ナノ光結晶 / 水溶性金属錯体 / フォトセラミックス |
研究概要 |
本研究では、金属成分を含む溶液と有機化合物とを包括的に用いる合成法『溶液錯体化学法』を展開し、この手法を希土類系蛍光体の合成に適用してきた。本年度の代表的な研究実績を以下に示す。 (1)水熱ゲル化法によるCa_3Sc_2Si_3O_<12>:Ce^<3+>の合成 カルシウム・スカンジウム・セリウムの硝酸塩とテトラエトキシシランを含む水溶液を200℃、24時間水熱処理して得られる固体物質を1400℃で高温熱処理することにより目的物質を単相で合成することに成功した。この試料は、励起波長447nmで501nmに極めて強い緑色発光をすることが明らかになり、発光強度は、固相反応法で作った試料の3倍、また市販のYAG蛍光体の輝度を越えることが明らかになった。 (2)ガス還元窒化(GRN)法による希土類賦活α-SiAlON蛍光体の化学合成 Ca-SiAlONは低温域で安定であり、GRNによる1ステップ合成で1400-1500℃の温度範囲でα相含有率90%以上の良好な試料が得られた。さらに窒素ガス中、1550-1750℃の温度範囲でほぼ単相の試料得ることに成功した。この蛍光体は380-460nmの励起に対応する事ができ、市販のYAGと比べて長波長化した黄色発光を示すことが明らかにされた。420nm励起における内部量子効率は70%、発光効率は52%に達成した。また温度昇降の影響は、YAGと比べて大幅に改善されていることも明らかになった。 (3)物質探索手段としての錯体重合法 組成式ABCO6で表される複合酸化物において、様々な金属元素の組み合わせで候補物質のライブラリーを作った。各組成に応じて錯体重合法を用いて試料の合成をした。その結果、YTiTaO6の組成において、278nmの励起に対して518nm付近にピークを有する緑白色の強い発光を呈することが明らかにされた。
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