研究課題/領域番号 |
18206069
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
垣花 眞人 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50233664)
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研究分担者 |
ペトリキン ヴァレリー 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20375166)
冨田 恒之 東海大学, 理学部, 講師 (00419235)
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キーワード | 水 / グリーンプロセス / ナノ光結晶 / 水溶性金属錯体 / フォトセラミックス |
研究概要 |
平成20年度は、(1)酸化チタン多形のうち合成が困難とされるブルカイト型酸化チタンの合成を可能にする新しい水溶性チタン錯体の探索を行い、併せてブルカイト型酸化チタンの形態制御を実施すると共に、(2)ルチル型酸化チタンの光触媒能の創出を目指した形態制御技術の開発を行い、また(3)水溶性ニオブ錯体を活用したパラレル合成スキームによる新規ニオブ含有蛍光体の探索を実施した。具体的な成果は以下の通りである。 (1)平成18-19年度に、グリコール酸チタン錯体をアルカリ性条件下で水熱処理すると1段階でブルカイト型酸化チタンを単一相で合成できることを発見した。H20年度には、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を配位子とする水溶性チタンを含む水溶液を水熱処理すると酸性から弱アルカリ性まで、より広い範囲のpHでブルカイト型酸化チタンを単一相で合成できることが判明した。また、水熱処理時にアミンを添加剤として加えることにより、粒子の形態を球状からロッド状にコントロールでき、球状粒子の光触媒活性は市販の標準酸化チタンを超えた。またペルオキソクエン酸チタン錯体をアルカリ性条件下で水熱処理することにより、アスペクト比の大きいブルカイト型酸化チタンの合成に成功した。(2)水溶性チタン錯体を含む水溶液のpHを変化させ、アミノ酸やグリコール酸など添加剤の種類を適宜選択することにより、ルチル型酸化チタンの形態を多様に制御でき、特にアスペクト比の大きなウィスカー粒子はルチル型酸化チタンとして例外的に高い光触媒活性を呈した。(3)ニオブ酸ランタンにユーロピウムを賦活した蛍光体は、ユーロピウムの直接励起により赤色の強発光をすることを発見した。この蛍光体は、水溶液を用いたパラレル合成によりスクリーニングを経て見出された。
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